K・YAIRI YW-1000の0フレット仕様
最初に
0フレット付きアコギが欲しくてK.Yairiの名器 YW-1000を0フレット付きでカスタムオーダーしました。
0フレットとは
通常はナットが0フレットになるのですがその前に設けたものを0フレットといい、ナットは弦のガイドのみとして使用する。
昔(1960,70年代)のアコギには多く見られましが現在は殆ど見られません。
エレキギターでは現在でもかなり使われています。(モズライト等)
0フレットのメリット・デメリット
メリット
ナットの高度な製作技術を必要とされない
弦を押さえても、開放弦でも同じ音色である。
弦高を低くでき弦を押さえやすい。
デメリット
高級感が損なわれる。?
0フレットについてK.Yairiクラフトマンの方に聞いてみました。
人によって色んなことを言われますので、どれが正しいとかではないと思います。 作る側としては、0フレットを入れると、ナットの弦溝切りが楽。昔は溝付き成形したプラナットが使用できました。 弾く方からは、ナット側の弦高が安定している、ナット溝の摩耗がない、音質が変わらない等と言う方もおられます。(解放のナットの音)が、フレットだから。 また、0フレット無しの方が 高級感がある様にもおもえます。牛骨が良かったり、象牙が良いという人とか有ったりして。こういう中で、どれを選ぶか!だと思います。 |
総じて0フレットの方がメリットが多い様ですが、アコギではギブソン、マーチンが使ってないなど高級感が損なわれるとの理由でギターメーカーが取り入れなくなってきたのではないかと思います。
でもK.Yairiでも低価格のギターですが取り入れている物もあり、やはりそれなりのメリットが今でも有るからだと思います。
K・Yairiトラベルギター | K・Yairi一五一会 |
また最近こんな商品を見つけました。
Zero-Glide ナットシステム
Zero-Glide ナットシステム | ROSETTE ロゼット ZORO GLIDE | |
少なからず0フレットを必要と思う人が居るという事です。
市販されてないから自分で改造するのだと思います。
0フレットへのこだわり。
以前(1970年代前半)に使っていた、ドイツのフラームスというメーカーのドレッドノート型のアコギに0フレットがついていてすごくひきやすかったです。(15年程前に手放した)
フィンガーピッキングが不得意でストロークがメイン、しかもローコードを多用して弾き語りをしています。 7フレット以上はいらない(笑)
こんな私にはありがたい構造です。
K.Yairiの0フレット付き YW-1000購入までの経緯
2012年現在 手持ちのギターはオベーションUSAのELITE 1718 1本のみ
一生使える様な良いギターが欲しいなぁ~
幸運な事に我が家から車で15分の所にあの有名なK.Yairiの工場があります。
45年ほど前には工場に知り合いが居て前記のギターの修理をお願いした事も有ります。
まずK.Yairiのホームページをのぞいてみた。
毎週土曜日に工場見学ができるらしい。
よし、行ってみよう。
予約して行ってみた。
この時には欲しいタイプと予算は決めていった。
工場は昔のイメージとかなり違っていた。
以前の工場は体重で沈むような床だったがしっかりした工場になっていた。
ギター選定
見学後に営業の人に欲しいギターは0フレットが有るドレットノートタイプの要望を告げた。
でも0フレットが有るギターは今はほんの一部を除き無いとの事
じゃあどうすればという事で
ヤイリには3種類の方法がある
セレクトオーダーとオリジナルオーダーそしてKヤイリカスタムショップ
ヤイリギターのWEBページより抜粋
「セレクト・オーダー」 多彩なパターンから自由にカスタマイズ。「選んで、つくる」自分好みのギター。 カタログモデルをベースに素材・形状・パーツなどを自由に組み合わせ、製作するオーダーメイド。「選んで、つくる」シンプルステップですが、組み合わせによってはオリジナル感覚のギターを手に入れることも可能です。ギターを始めると、徐々に自分なりのこだわりが出てくるもの。カタログモデルを見て「ここがこうだったらいいのに」などと感じたら、ぜひご検討ください。 「オリジナル・オーダー」 こだわりどころだけをオリジナル仕様にした、自分だけのギター。 「ボディに特殊な装飾を施したい」「インレイをオリジナルの図柄にしたい」など、セレクト・オーダーでは実現が難しい特別な仕様、デザインを形にします。手にとるだけで心浮き立つ1本をヤイリギターの職人と一緒に作ってみませんか? 「K.ヤイリ カスタムショップ」 ベテランのクラフトマンによる手作りギター |
予算的な面からカタログ品をカスタマイズするセレクトオーダーで購入することにした
カタログから機種選定で予算とスタイルでYW-1000を選んだ。
カスタムしたところは
・0フレット
・ヘッドマークをアルバレスに変更
・PU取り付け
の3点
K.Yairiとの打ち合わせで0フレットをつけると言ったらやはり少し懸念され、半音下げて1カポで演奏したらとか言われました。
やはり0フレットは主流で無いと感じました。
ギターの材質にはまったくの無知で指定しなかったのですがYW-1000が標準で良い材質が使われていたので良かったです。
希望どうりのギターを注文
2012.5.26に注文しました。
K.Yairiでオーダーで作る多くの人は0フレットを知らないと思います。
知っていれば注文する人も増えるのかと思いますが。
注文ギター完成
注文して6か月後2012.11.29にやっと出来上がりました。
出来上がったの連絡が有り、取りに行ったときに今は亡き先代社長の矢入一男さんとしばらく雑談する事が出来ました、昔の友人(既に退社)の話をしたらよく覚えてみてた。
ピックが1枚入った名刺にサインもして頂いて本当に貴重な時間を過ぎすことが出来た。
このギターを使うとかなりの人が音が良いねと褒めてくれます。
買って良かったと今でも思っています。
K.ヤイリカスタムショップ最高級のBy-Kenモデルなんかも欲しいなとと思う事も有るのですが、少し年を取りすぎて今から作っても使う期間が短いのと一番はギターの演奏が下手で私にはもったいないと自分に言い聞かせ諦めています。
最後に
やはり0フレットが無くなったのは高級感を損ねるのが一番の理由と思いますが、このYW-1000は0フレットが有っても十分に高級感が有ります。
使っていて、人と違うのを持てて良かったと思う。
YW-1000の0フレット付きはおそらく世界でこれ1本だから。
また現状ではアコギの0フレットのギターを弾いたことのある人は少ないのと、メーカーが作らないので使用できる人は限定されるものと思います。
逆に0フレットギターを使う事に優越感を覚えます。
あ~あ~ギターの腕が良ければと嘆いています!!
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