導入文
パソコンを使っていて、「ブラウザのタブをたくさん開くと重くなる」「複数のソフトを起動すると動作が遅くなる」「メモリを増設した方がいいのだろうか」と感じることはありませんか。
パソコンのメモリは、Windowsやアプリが作業するときにデータを一時的に置いておく場所です。メモリ容量に余裕がなくなると、アプリの切り替えが遅くなったり、パソコン全体の反応が悪く感じられたりすることがあります。
ただし、「パソコンが遅い=メモリを増やせば解決する」とは限りません。
また、メモリにはDDR4・DDR5、デスクトップ用・ノートパソコン用など複数の規格があり、容量だけを見て購入すると取り付けられない場合があります。
この記事では、Windowsパソコンのメモリを増設したい初心者向けに、8GB・16GB・32GBの容量の目安、DDR4とDDR5の違い、購入前に確認すべきポイント、増設時の注意点までわかりやすく解説します。
※Windows 11のバージョンや更新状況によって、画面表示や設定項目の名称が異なる場合があります。また、メモリの対応規格や最大容量はパソコンによって異なります。
メモリ不足でパソコンが重くなる原因
パソコンでは、Windowsそのものに加えて、ブラウザ、メール、動画再生ソフト、Officeソフトなど、さまざまなプログラムがメモリを使用しています。
ブラウザのタブを何十個も開いたり、複数のアプリを同時に起動したりすると、それだけ多くのメモリが必要になります。
搭載されているメモリ容量に対して使用量が多くなると、パソコンの反応が遅くなることがあります。
特に次のような使い方では、メモリ使用量が増えやすくなります。
- ブラウザで多数のタブを開く
- WordやExcelなどを複数起動する
- 写真編集をする
- 動画編集をする
- オンライン会議をしながら別のソフトを使用する
- 複数のアプリを同時に使用する
一方、パソコンの動作が重くなる原因はメモリだけではありません。
CPUの性能、ストレージの空き容量、HDDの速度、常駐アプリ、Windows Updateなどが影響している場合もあります。
そのため、メモリを購入する前に、現在の使用状況を確認することが重要です。
対処法1:現在のメモリ容量を確認する
まず、自分のパソコンに何GBのメモリが搭載されているか確認しましょう。
Windows 11では、次の方法で確認できます。
- 「スタート」を右クリックします。
- 「設定」を開きます。
- 「システム」を選択します。
- 「バージョン情報」を開きます。
- 「実装RAM」を確認します。
ここに「8.00GB」「16.0GB」などと表示されます。
ただし、搭載容量が分かっただけでは増設が必要かどうかは判断できません。
次に、普段の使い方でどれくらいメモリを使用しているのか確認します。
対処法2:タスクマネージャーでメモリ使用量を確認する
Windowsには、CPUやメモリなどの使用状況を確認できる「タスクマネージャー」があります。
- 「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーを同時に押します。
- タスクマネージャーを開きます。
- 「パフォーマンス」を選択します。
- 「メモリ」を選択します。
ここで現在のメモリ使用量を確認できます。
確認するときは、パソコンを起動した直後だけを見るのではなく、普段使用しているブラウザやアプリを開いた状態で確認するのがポイントです。
たとえば、普段ブラウザ、Excel、メール、動画再生などを同時に使用するのであれば、その状態で確認します。
普段の作業で常にメモリに余裕がない状態になっているなら、増設を検討する価値があります。
対処法3:8GB・16GB・32GBのどれを選ぶか決める
メモリ容量は、多ければ多いほど必ず体感速度が上がるわけではありません。
現在の使い方に必要な容量を確保することが大切です。
| 容量 | 主な用途の目安 |
|---|---|
| 8GB | ネット閲覧、メール、文書作成など比較的軽い作業 |
| 16GB | 複数アプリの同時使用、一般的な写真編集、日常用途を余裕を持って使いたい場合 |
| 32GB | 動画編集、大きな画像データ、複数の重いソフトを同時に使用する場合 |
| 64GB以上 | 高負荷な動画制作、専門用途など |
Windows 11の最低システム要件は4GBですが、これはWindows 11を動作させるための最低条件であり、快適さを保証する容量ではありません。
現在8GBで普段の作業中にメモリ不足が起きているなら、16GBへの増設を検討するとよいでしょう。
動画編集などメモリを多く使用する作業をする場合は、32GB以上を検討する価値があります。
逆に、現在16GBを搭載していて、普段の作業でも十分な空きがある場合、32GBへ増設しても体感速度がほとんど変わらない可能性があります。
対処法4:DDR4とDDR5を必ず確認する
メモリ購入時に非常に重要なのがDDRの規格です。
現在のパソコンではDDR4やDDR5などが使われています。
DDR4対応パソコンだから、より新しいDDR5を購入すれば速くなる、というものではありません。
DDR4とDDR5では仕様が異なるため、パソコン側が対応している規格に合わせる必要があります。
「16GBだから使える」という判断はできません。
購入前にパソコンメーカーの製品仕様やマザーボードの仕様を確認し、対応するメモリ規格を調べてください。
対処法5:デスクトップ用とノートPC用を間違えない
メモリには、デスクトップパソコン向けとノートパソコン向けがあります。
一般的なデスクトップ用メモリはDIMM、ノートパソコン用はSODIMMと呼ばれる形状が使われています。
SODIMMはデスクトップ用DIMMより小型です。
同じDDR4・16GBと書かれていても、デスクトップ用とノートPC用では形状が異なるため注意してください。
DDR4では一般的なデスクトップ向けUDIMMは288ピン、ノート向けSODIMMは260ピンです。DDR5では一般的なUDIMMが288ピン、SODIMMが262ピンとなっています。
初心者の場合は、商品名だけで判断せず、メーカーの仕様表で「DIMM」「SODIMM」などの表記を確認してから購入しましょう。
対処法6:メモリスロットの空きを確認する
増設する場合は、パソコン内部に空いているメモリスロットがあるか確認する必要があります。
たとえば、メモリスロットが2本あるパソコンで、現在8GBメモリが1枚だけ装着されていれば、もう1本の空きスロットへ追加できる場合があります。
一方、4GB+4GBの2枚ですでに両方のスロットを使用している場合、単純にもう1枚追加することはできません。
その場合は、現在装着されているメモリを取り外して、より容量の大きいメモリへ交換する必要があります。
タスクマネージャーのメモリ画面からスロット使用状況を確認できる機種もありますが、最終的にはパソコンの仕様書や実機を確認するのが確実です。
対処法7:パソコンの最大メモリ容量を確認する
メモリスロットが空いていても、好きなだけ容量を増やせるわけではありません。
パソコンやマザーボードには、対応できる最大メモリ容量があります。
たとえば最大16GBまでのパソコンに、合計32GBになるようメモリを取り付けても、正常に利用できるとは限りません。
確認する項目は次のとおりです。
- 最大搭載容量
- メモリスロット数
- 現在使用中のスロット数
- 対応DDR規格
- 対応するメモリ速度
- DIMMかSODIMMか
パソコンメーカーの公式仕様ページや取扱説明書で確認してください。
対処法8:ノートPCはメモリ増設できない機種もある
特に注意したいのがノートパソコンです。
薄型・軽量ノートパソコンなどでは、メモリが基板へ直接取り付けられていて、利用者が交換できない製品があります。
また、一部のメモリが基板に固定され、追加用スロットだけが用意されている機種もあります。
ノートPCだからSODIMMを買えば増設できる、というわけではありません。
必ず使用しているパソコンの型番を確認し、その型番の仕様書で増設可能か調べてください。
分解するとメーカー保証へ影響する場合もあるため、保証期間中のパソコンは特に注意しましょう。
対処法9:メモリ速度だけで選ばない
メモリにはDDR4-3200など、規格と速度を示す表記があります。
数字が大きい製品を見ると「速いメモリを買えばパソコンも速くなる」と考えがちですが、パソコン側がその速度に対応していなければ、期待した速度で動作しない場合があります。
特に既存メモリへ追加する場合は、現在搭載されているメモリとパソコン側の対応仕様を確認することが大切です。
初心者の場合、速度だけで製品を選ぶより、使用しているPCとの互換性を最優先にしてください。
対処法10:2枚組メモリも選択肢にする
メモリは1枚だけでなく、同容量の2枚組セットとして販売されている製品もあります。
たとえば合計16GBなら「16GB×1枚」だけでなく「8GB×2枚」という構成があります。
対応するパソコンでは、2枚のメモリを組み合わせることでデュアルチャネル動作を利用できる場合があります。
ただし、空きスロット数や既存メモリの構成によって最適な組み合わせは変わります。
将来さらに容量を増やしたい場合は、空きスロットを残すため1枚構成が便利な場合もあります。
現在の構成と将来の増設予定を考えて選びましょう。
対処法11:メモリ増設前にはデータをバックアップする
メモリ増設では通常、SSDやHDD内のデータを書き換えるわけではありません。
しかし、パソコンのケースを開けて内部部品を扱う作業になるため、万一に備えて重要なデータをバックアップしておくことをおすすめします。
特に初めてパソコン内部を触る場合は、写真、文書、仕事のデータなど、失いたくないファイルを外付けSSDなどへコピーしておきましょう。
対処法12:メモリを取り付けるときは静電気に注意する
メモリは静電気に弱い電子部品です。
取り付け作業をする場合はパソコンをシャットダウンし、電源ケーブルを外してから作業します。
ノートパソコンの場合は、メーカーが案内している分解・増設手順を確認してください。
メモリの端子部分にはなるべく触れず、基板の端を持って扱います。
無理な力を加えたり、向きを間違えて押し込んだりしないよう注意してください。
作業に自信がない場合は、パソコンショップやメーカーのサポートへ依頼する方法もあります。
対処法13:増設後にメモリ容量を確認する
取り付けが終わったら、パソコンを起動して増設したメモリが正しく認識されているか確認します。
「設定」→「システム」→「バージョン情報」を開き、「実装RAM」の容量を確認します。
たとえば8GBから16GBへ増設した場合、実装RAMが16GB前後になっていることを確認します。
増設したのに容量が変わっていない場合は、メモリが正しく差し込まれていない、規格が対応していない、スロットやメモリに問題があるなどの可能性があります。
その場合は一度電源を切り、取り付け状態と仕様を再確認してください。
初心者向けおすすめメモリ3選
ここでは、用途の異なるCrucial製メモリを3種類紹介します。デスクトップPC用、ノートPC用、DDR5対応デスクトップPC用に分けているので、自分のパソコンに合った製品を選ぶ際の参考にしてください。
【購入前の注意】
メモリは同じ容量でも、DDR4・DDR5、DIMM・SODIMMなど規格が異なります。パソコンによって最大搭載容量や対応速度も異なるため、購入前に必ず使用しているパソコンの型番と対応メモリ規格を確認してください。
1.Crucial CT2K8G4DFRA32A|DDR4デスクトップPC向け
Crucial CT2K8G4DFRA32Aは、DDR4-3200に対応したデスクトップパソコン向けメモリです。8GBメモリが2枚セットになっており、合計容量は16GBです。
現在8GB程度のメモリを搭載していて、ブラウザやOfficeソフトなどを複数同時に使用すると動作が重くなる場合などに、16GB環境へ変更する際の候補になります。
- 容量:16GB(8GB×2枚)
- 規格:DDR4-3200
- 形状:デスクトップPC向けDIMM
- おすすめ用途:一般用途、複数アプリの同時使用など
こんな人におすすめ:
DDR4対応のデスクトップPCを使用していて、合計16GBへ増設・交換したい方。
※DDR5対応PCやノートパソコン用ではありません。購入前に必ずパソコンの対応規格を確認してください。
Amazonで確認する2.Crucial CT2K8G4SFRA32A|DDR4ノートPC向け
Crucial CT2K8G4SFRA32Aは、DDR4-3200対応のノートパソコン向けメモリです。8GB×2枚の合計16GB構成です。
ノートPCで複数のアプリを同時に使用する機会が多く、現在のメモリ容量では不足している場合の増設・交換候補になります。
- 容量:16GB(8GB×2枚)
- 規格:DDR4-3200
- 形状:ノートPC向けSODIMM
- おすすめ用途:一般用途、Office、複数アプリの同時使用など
こんな人におすすめ:
DDR4 SODIMMに対応したノートパソコンを16GB構成にしたい方。
※薄型ノートPCなどにはメモリを交換・増設できない機種があります。購入前にパソコンメーカーの仕様を必ず確認してください。
Amazonで確認する3.Crucial CT2K16G56C46U5|DDR5デスクトップPC向け
Crucial CT2K16G56C46U5は、DDR5対応デスクトップパソコン向けのメモリです。16GB×2枚で合計32GBとなり、16GBより余裕のあるメモリ環境を構築できます。
動画編集や写真編集、複数の比較的重いアプリを同時に使用するなど、メモリを多く消費する作業をする方の候補になります。
- 容量:32GB(16GB×2枚)
- 規格:DDR5-5600
- 形状:デスクトップPC向けDIMM
- おすすめ用途:動画編集、写真編集、複数アプリの同時使用など
こんな人におすすめ:
DDR5対応デスクトップPCで32GBのメモリ環境を構築したい方。
※DDR4対応パソコンには使用できません。また、実際の動作速度はCPUやマザーボードなどパソコン側の対応仕様によって異なります。
Amazonで確認する※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。商品の価格・在庫・仕様などは変更される場合があります。購入時は販売ページで最新情報をご確認ください。
メモリ増設で改善しない場合に確認すること
メモリを増設してもパソコンが遅い場合は、別の原因を確認しましょう。
特に古いパソコンでHDDを使用している場合は、メモリよりストレージの速度がボトルネックになっていることがあります。
また、CPU使用率が常に高い、スタートアップアプリが多い、ストレージの空き容量が少ない、バックグラウンドで重い処理が動いているなどの原因も考えられます。
タスクマネージャーではCPU、メモリ、ディスクなどの使用状況を確認できるため、どこに負荷がかかっているのか確認してから対策すると無駄な部品交換を防げます。
FAQ
Q1:Windows 11ならメモリは何GB必要ですか?
Windows 11の最低システム要件は4GBですが、これは最低条件です。ネット閲覧やOfficeなど一般的な用途でも、複数アプリを同時に使うなら8GB以上、余裕を持たせたい場合は16GBを検討するとよいでしょう。必要量は使用するソフトによって変わります。
Q2:8GBから16GBにすると速くなりますか?
現在8GBをほぼ使い切っている場合は、16GBへ増やすことで動作が改善する可能性があります。現在8GBでも十分な空きがある場合は、増設しても大きな変化を感じないことがあります。
Q3:DDR4のパソコンにDDR5を取り付けられますか?
基本的にはできません。DDR4とDDR5は異なる規格です。使用しているパソコンやマザーボードが対応する規格を確認して、その規格に合ったメモリを選んでください。
Q4:デスクトップ用メモリをノートPCに使えますか?
一般的なデスクトップPCではDIMM、ノートPCでは小型のSODIMMが使われます。形状が異なるため、購入前に必ず確認してください。
Q5:メーカーが違うメモリを混ぜても大丈夫ですか?
動作する場合もありますが、規格、容量、速度、タイミングなどの組み合わせによっては正常に動作しない可能性があります。初心者の場合は、互換性が確認された同一仕様の製品やセット品を選ぶ方が分かりやすいでしょう。
Q6:メモリを32GBにすればパソコンはかなり速くなりますか?
現在のメモリ不足が原因なら改善が期待できますが、必要量を超えて増設しても体感速度が比例して上がるわけではありません。CPUやストレージなどが原因の場合は、メモリを増やしても改善しないことがあります。
Q7:メモリ増設は初心者でもできますか?
デスクトップPCなど比較的作業しやすい機種なら可能ですが、パソコンによって難易度が異なります。ノートPCでは分解が必要だったり、そもそも増設できなかったりする場合があります。必ずメーカーの手順を確認してください。
まとめ
メモリ増設は、パソコンの動作を改善できる代表的な方法の一つですが、容量だけを見て購入すると失敗する可能性があります。
まずタスクマネージャーで普段のメモリ使用状況を確認し、本当にメモリ不足が発生しているか確認しましょう。
購入するときは、8GB・16GB・32GBといった容量だけでなく、DDR4・DDR5、DIMM・SODIMM、空きスロット数、最大搭載容量などを確認することが重要です。
特にノートパソコンはメモリを交換できない製品もあるため、購入前に必ずパソコンの正確な型番から仕様を確認してください。
「パソコンが遅いから、とりあえず大容量メモリを買う」のではなく、現在の使用状況とパソコンの仕様を確認してから増設すれば、規格違いや不要な出費を防ぎやすくなります。
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